教育・子育て

2022/09/06

子どもの将来のために!よりよい「しつけ」を知り、社会に出る準備の手助けを

子どもが将来社会に出たときのことを考えて「正しいしつけをしたい」と考えている親御さんも多いですよね。とはいえ、しつけの正しい方法や、何をしつけで教えるべきか悩む方も多いでしょう。

この記事では、子どものしつけの必要性や正しいしつけの定義、さらに社会に出るために身に着けておきたいしつけの種類を解説します。

子どものしつけ、なぜ必要?

人間が成長してひとりで生きていくためには、生活習慣を身につけなければいけません。また、社会で生きていくために守るルールなどもあります。生活習慣や社会でのルールを親が子どもへ教えるために行うのが、しつけです。しつけには次の目的があります。

・正しい判断をするための基準を教える

・繰り返し行って経験を積み、さまざまな動作をひとりでできるようにする

・集団生活や社会で生きていくための練習 など

 

身につけたい「社会性」とは?

子どもへのしつけは、社会に出たときに困らないための見識=社会性を身に着けるために行われます。小児科学、児童精神医学的に見た社会性とは、次の6項目として定義されています。

1:身辺自立

2:移動

3:作業

4:意志交換

5:集団参加

6:自己統制

 

「しつけ」とは?

「日本大百科全書」によると、しつけとは日常生活での行儀作法や生活慣習の型を身につけさせることと定義されています。現在ではおもに家庭内での初期教育を指すことが多いです。

一方、以前は乳幼児期における行基作法や初期教育にとどまらず、「性質をたわめ、直しつつ一人前に育てる」「教えるのではなく実地に立ったうえで欠点を矯正する」という意味を持っていました。着物の着崩れを防ぐための「しつけ糸」や将来独立を約束する代わりに幼少期より無償で働く「しつけ約束」は、後者の意味から由来しています。

また、しつけの漢字「躾」は日本で作られた国字であり、「武士にふさわしい上品な立ちふるまいを授け、身構えを美しく保つ」意味から作られたといわれています。

 

褒めるしつけと叱るしつけ

子どもが健全に発育するために必要なのが、自己肯定感と自尊感情です。自己肯定感と自尊感情を土台にしつけを行うことで、生きていく力を身に着けられます。

自己肯定感と自尊感情と深くかかわっているのが、しつけの手法である「褒める」と「叱る」です。褒めるしつけ、叱るしつけそれぞれを正しく行うためのポイントを解説します。

  • 褒めるしつけ

褒めるしつけは、やってほしいことや苦手なことに対して「おだてる」のではなく、子ども自身がやりたいと思ってやったことや、やろうとした過程に対して褒めるようにしましょう。結果を褒めるのではなく、過程を認めることが、子どもにとって大きな自信や喜びにつながります。子どもを褒める際には、自分から進んで色々なことに挑戦したいと思えるような褒め方を心がけましょう。

 

  • 叱るしつけ

叱るしつけのポイントは「子どもの過程や気持ちを否定する」のではなく、「正しい行動を教える」ことを重視することです。とくに2歳未満の子どもは、「叱られている」という認識を持ちません。そのため、叱れば叱るほど「親がかまってくれる」と認識し、間違った行動を繰り返してしまうことがあります。

2歳以上になると、子どもも叱られていることを理解できるようになります。ただし感情に任せて𠮟ると「怖い」「怒られた」などの印象しか残らず、何が悪かったのか叱られた原因を理解できないことになります。たとえば友達を叩いてしまったときにも、ただ叩いた事実だけを叱るのではなく「怒ることがあるのは仕方がない」「けれども叩くのは間違っている」と気持ちと行動を分けて、行動の過程のなかの原因をしっかり話し合いをすることが大切です。

 

「しつけ」の種類とは?

社会で必要になる「しつけ」には、数えきれないほどの種類があります。子どものときから教えたい、基本的かつ代表的なしつけの種類を紹介します。

 

①挨拶などのマナー

挨拶は、初対面の人や会話が苦手な人ともコミュニケーションを取るきっかけとなります。逆にコミュニケーションが取れていないと相手に誤解を与えてしまう可能性もあるため、より良い人間関係を築くためにも挨拶は重要です。

子どもに挨拶を身に着けさせるためのしつけのポイントを意識して、挨拶のルールのほか、どのように挨拶をすれば相手が気持ちよいかも合わせて教えましょう。

・親が挨拶している姿を見せる

・家庭で挨拶を習慣化する

・友だち、目上の人など相手に合わせた挨拶を教える

・笑顔ではっきりと行う

・相手の目を見る

 

②社会でのルール

「お店のなかでは走り回らない」「図書館では静かにする」などの社会のルールは、社会で生きる人みんなが気持ちよく過ごすためにあります。「みんなが気持ちよく過ごせるにはどうしたらよいか」をいつも考えて行動できる大人になれるように、社会でのルールを少しず教えていきましょう。

・やってはいけないことを「ダメ」というのではなく、なぜダメかの理由も説明する

・「これが終わったら●●しようね」とやりたい気持ちも尊重する

・我慢をしてルールを守れたら、声に出してしっかり褒める

・「大人だからいいの」と大人がルール違反をしない

 

③時間を守ること

大人になればなるほど、時間を守れないだけで周囲からの信用を失うことになりかねません。小さいころから少しずつ、時間を守ることの大切さを教えましょう。方法としては、

・時計を見る癖を付ける

・約束の時間から逆算する癖を付ける

・各部屋に時計を置くなどして時間を意識させる

・子どもに自分で時間の管理をさせる

・時間に遅れた場合は「誰かのせいではなく、あなたが時間に遅れたからだ」とやさしく諭す

・声掛けをするときは「遅刻するよ」などのネガティブな声掛けではなく「早くしたくするとゆっくりテレビが見れるよ」などのポジティブな声掛けをする

 

④手洗いなどの衛生面

清潔にするための衛生面に関する生活習慣は、自ら健康な生活を作り出すために必要となります。また、昨今の感染症の影響で、共同生活のエチケットとしても重視されるようになりました。手洗いなどの衛生面に関する生活習慣を教えるポイントを、年齢別にまとめました。

・0歳代:「汗をかいて気持ち悪いね」「お風呂に入ったからさっぱりして気持ちいいね」と快・不快の言葉で教える

・1歳代:「手を洗おう」など親の真似をさせながら教える

・2歳代:「帰ってきたら手を洗う」「食事の前に手を洗う」などルーティーンとして教える

・2歳代後半~:見守りしつつも自分でやらせる

 

⑤わがままなどの他人との関わり

わがままとは「他人のことを考えず自分の都合のみで行動すること」「身勝手」「自分勝手」であることを指します。

小さい子どもが駄々をこねる、ぐずる様子は大人から見ると「わがまま」と見えるかもしれません。これは小さい子どもは感情面が未発達のため相手の気持ちを客観的に考えることや、自分の感情をコントロールすることが難しいことから来ています。そのため、わがままを言っているのではなく子どもが自分の気持ちを親に理解してほしいことからぐずったり、駄々をこねたりするのです。

特に、朝の支度や夕方など親が忙しいときに子どもがぐずる、駄々をこねると「わがまま」と思ってしまいがちですが、子どもが「甘えたい」「気持ちを分かってほしい」と純粋に思っているだけ、と親も気持ちを汲んであげられるようにしましょう。

以上をふまえて、わがままや他人との関わりに関するしつけのポイントをまとめました。

・1歳半頃から2歳:感情的に叱らず一歩引いて、気持ちに共感する。必要に応じて我慢させるときは我慢させる

・3歳頃:子どもの負担とならない程度に、少しずつ「待つ」「我慢」をさせる。待てたら「ありがとう」と感謝する

・忙しいときなどにぐずったり駄々をこねたりしたら「ママは忙しいから5分だけね」など約束してからかまってあげる

・子どもの感情を無視しておさえこまない

 

子どもに合ったしつけの方法とは?

しつけの方法はさまざまありますが、子どもの年齢と性格によって共通するポイントもあります。子どもの年齢と性格別に合ったしつけの方法を解説します。

 

年齢に合わせたしつけ

・0~1歳:「褒める」「叱る」の区別がつかず、理解できない。抱っこする、撫でるなどのスキンシップを行うことで「自分は大切にされている」という気持ちが育まれる

・1~3歳:イヤイヤ期のピークで、甘えと反抗を繰り返す。親からの依存から離れる自立心の表れなので、しっかりと付き合ってあげつつ「それでも受け入れてくれる安心感」を育むこと。自立を褒めたり、甘えを叱ったりする必要はない

・3~6歳:他人の気持ちを理解できるようになってくる。公平、正しさを求めるようになるので、物事の善し悪しをしっかり理解してもらう接し方をする。子どもの気持ちは共感しつつ、悪いことは物理的に制御する。

・6~10歳:言葉も人の気持ちもルールも理解できるようになるが、小学生になっても親に甘えたい。甘えにはしっかり応えてあげて、自己肯定感や自尊感情を育ててあげる。甘やかす(過保護)ではなく、甘えさせる(手助けをする)のが重要

 

性格によって分かれるタイプ

子どもの性格によって叱られる頻度や度合いも異なります。まずは子どもの性格を理解したうえで、その子に合う叱り方や褒め方を身に着けておきましょう。衝動性・自己コントロール力を表した「統制性」と、エネルギーの大小を表した「活動力」の2軸から4つの性格に分類し、それぞれの性格ごとの叱り方、褒め方のポイントをまとめました。

・「統制性」「活動力」ともに高い「がんばりやさんタイプ」

行動力もガッツもある。頭ごなしに叱ると個性がつぶれてしまうため「あなたならできるよ」とポジティブな声掛けをする

・「統制性」が高く「活動力」が低い「おだやかさんタイプ」

不安を感じると自制ができるタイプ。恐怖で支配するのではなく、優しく要求する、多くを要求しないなどで自信をつけていく

・「統制性」「活動力」ともに低い「マイペースタイプ」

のんびりだらだらしやすい。叱るのではなく「助ける、支える」を意識しながら要求は1~2個にする。成功体験を積み重ねて自信につなげる

・「統制性」が低く「活動力」が高い「やんちゃタイプ」

とにかくパワフルなため、してはいけないことはその場で止めて叱る。自己コントロールができるようにサポートする

 

まとめ

「しつけ」は子どもの将来の基盤に大きく関わります。親として叱る、褒めるをしっかりと使い分け、本当の意味で子供の社会性を育むしつけをしてあげるのが重要です。

 

いしど式の先生は「第二の母」

いしど式では、子どもたちに対して単にそろばんを身に付ける手助けをするだけではありません。そろばんに必要な身の回りのことも、責任をもって教えています。

いしど式の先生は「第二のお母さん」という考え方のもと、必要な時には叱ることもあります。子どもの成長をともに喜び、子育てに奮闘する保護者の方のよき理解者であるように心がけています。

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