そろばん学習

2022/09/08

知育おもちゃで遊ぼう!「100玉そろばん」の効果的な使い方

楽しく遊ぶことを通じて、いろいろな能力を身に付けられる知育おもちゃ。いろいろな種類がありますが「長く遊べるものがほしい」「将来役立つ能力を身に付けられるものがいい」と考える保護者の方も多いですよね。

 

これから知育おもちゃの導入を検討しているときに、おすすめなのが「100玉そろばん」です。この記事では、100玉そろばんの概要や遊びを通じて得られる効果、使い方や手作りする方法について解説します。

 

100玉そろばんとは?

 

100玉そろばんとは、一般的なそろばんの「子ども版」ともいうべき知育玩具です。一般的なそろばんと比較すると、以下のような違いがあります。

 

一般的なそろばん 100玉そろばん
サイズ 片手で持てるサイズ 大きめ
置き方 床や机に置く スタンド型が一般的床や机に置くタイプもある
1本の桁(棒)の珠の数 5 10
見た目 シンプルなものが多い カラフルなものが多い

 

100玉そろばんは幼児の小さな手でも扱いやすいように、大きめに作られているのが特徴です。そのため、一般的なそろばんは狭いスペースでも使用できますが、100玉そろばんは設置するのにある程度広いスペースが必要になります。

 

100玉そろばんは、0才〜小学生までと長い間役に立つ知育玩具です。数字を覚え始め、復唱をし始める1歳ごろから、「足し算」「引き算」「九九」など高度な数字の学習を目的とした4歳ごろまで、成長に合わせていろいろな使い方や遊び方ができます。

 

100玉そろばんで期待できる効果

 

知育玩具にはいろいろな種類のものがありますが、いずれのものも年齢や脳の発達に応じて身につく非認知能力を、遊びを通じて育む効果を持っています。100玉そろばんではどういった効果が期待できるのかを解説します。

 

脳の発達を促す

 

幼児期では手で触れる、指を使うことによって脳の発育につながります。100玉そろばんは指を使って玉を動かすため、遊びながら子どもの脳に刺激を与えて、活性化させてくれます。さらに一般的なそろばんとは異なり、カラフルな配色の100玉そろばんも多いです。視覚的にも刺激を与えることで、脳の発達を促してくれるでしょう。

 

また本来理論的な思考や計算などは左脳を使います。100玉そろばんは数や計算の概念を玉が動くイメージによって理解できるため、右脳の活性化にもつながります。

 

数の概念が分かる

 

100玉そろばんは、数を玉という実物で表したものです。数は「概念」のため言葉で説明するのは難しくなっています。数を覚え始めたころの子どもが、1つめを指しながら「1、2」や3つめを指しながら「3、4」など先の数字も言ってしまうのは、順番と数の概念が一致していないことから来ています。

 

100玉そろばんを使えば、数を目で見える形で示せます。子供が数を実感しやすいため、小さい子どもに「数」を学ばせるために100玉そろばんはとても効果的な玩具だと言われています。

 

幼児期に数の概念を理解しておくことで、小学校や中学校に上がっても算数や数学に対する苦手意識が少なくなる可能性が高いです。一方きちんと数の概念を理解していないまま勉強を進めてしまうと、子どもは算数や数字に苦手意識を持ってしまうことがあります。勉強することにつまづいてしまうこともあるため、幼少期からしっかりと数の概念を理解させるためにも100玉そろばんが効果的と言えます。

 

【年齢別】100玉そろばんのおすすめの使い方

 

 

 

0~1歳:見て触って遊ぶ

 

0~1歳ごろはまだこまかく指先を使うことはできないため、100玉そろばんも最初は指全体を使って玉をガシャガシャと動かすだけしかできません。けれども指先を使うことは良いことなので、子どもの好きなように思う存分遊ばせてあげましょう。1歳過ぎごろから、ある程度指先が器用になってきます。一本指で1つずつそろばんの玉を動かす練習をしましょう。

 

1~2歳:1つずつ数えてみる

 

1歳過ぎからは、100玉そろばんを使って少しずつ数の概念を身に付けられるようになります。まずは子どもに100玉そろばんに強い興味を持たせることを目標としましょう。まず親御さんが右側に全部玉を寄せて、「1、2、3…」と数えながら、玉を左に寄せていきます。数を復唱しながら寄せることで、数と玉を結び付け、数の概念を子どもが視覚的に捉えられるようになります。

 

2~3歳:まとまりで数えてみる

 

2~3歳ごろからは、だんだんと数字への理解が深まってきます。100玉そろばんを使って、ある程度まとまった数を数えてみることに挑戦してみましょう。親御さんが「2・4・6・8・10・・・」と、1ずつのときと同じように、声にだしながら玉を動かして見せます。2とび、5とび、10とびなどいろいろなパターンのまとまりの数字を見せてあげましょう。

 

まとまりの数字を視覚的に見せられるため、数が増えていくのを概念としてしっかりと理解できます。また、10以上の数字の言い方も同時に覚えられます。

 

3~4歳:合わせて10にしてみる

 

3~4歳ごろになると、100玉そろばんを使って足し算・引き算の基礎となる「10」を作る遊びができるようになります。

 

「1段目を1と9」「2段目を2と8」「3段目を3と7」のように玉を左右に分けて、できたら1段ずつ玉を合わせて「10」にしていきます。この遊びを繰り返すことで「10」の成り立ちが分かり、「数と数の組み合わせで数ができている」ということが理解できるようになります。

 

4歳~:足し算・引き算の練習をしてみる

 

4歳近くなると計算的な考えができるようになります。100玉そろばんでかんたんな足し算・引き算の練習に挑戦してみましょう。「3個と2個で何個になる?」「10個から5個引くと残りは何個?」などの問題を出して、子どもに玉を移動させましょう。

 

ただし、100玉そろばんの遊びを無理強いするのは厳禁です。子どもが飽きてしまったり、あまり乗り気でなかったりするときには無理にやらせないようにしましょう。数の勉強が楽しいと思えるように、子どもの様子をみながらやっていくことが重要です。

 

100玉そろばんの選び方

 

100玉そろばんは幼児期から小学生までずっと使える、長い付き合いになる知育玩具です。何年も使うものだから、良いものを用意してあげたいですよね。100玉そろばんを選ぶ際のポイントをまとめました。

 

安全性

 

100玉そろばんは幼児期から使える知育玩具です。そのため、玉が外れて子どもが誤飲してしまわないかなど、安全性も確認して選ぶようにしましょう。日本のおもちゃには、品質を保証する安全器基準マークの「SGマーク」や「STマーク」が付けられています。安心して遊ばせてあげられる100玉そろばんかどうかを判断するために、これらのマークが付いているかどうかもチェックポイントのひとつです。

 

木製か

 

100玉そろばんの本体の材質は、木製のものがおすすめです。木製は指当たりがやさしく、子どもの小さな手でも玉を動かしやすくなっています。さらに大きめのサイズが多い100玉そろばんでも木製ならナチュラルな風合いが楽しめるため、お部屋のインテリアになじみやすいです。

 

プラスチック製の100玉そろばんは木製と比較すると壊れやすく、長持ちしないデメリットがあります。長く使える100玉そろばんだからこそ、耐久性の面でも木製がおすすめです。

 

数が数えやすい色分けになっているか

 

100玉そろばんを選ぶポイントとして重要なのが、数が数えやすい色分けになっているかどうかです。10玉それぞれで異なる色が使われているものがありますが、おすすめは「1~5」「6~10」と5玉ずつで色が分かれているものです。人が一度に認識できる数には限りがあるため、5玉ずつで色分けしているものなら一目見ただけで数を認識しやすくなります。また、「5」の塊も理解しやすいのもメリットです。

 

目盛りがついているか

 

一般的なそろばんには目盛りが付いてませんが、100玉そろばんには目盛りが付いているものがあります。数字の目盛りが付いていれば数の学習に役立つため、おすすめです。目盛りがあれば数字と照らし合わせながらそろばん玉をはじけます。より多角的に数字の学習ができるでしょう。また目盛りはシンプルな方が見やすいため、合わせて確認しておきましょう。

 

両端に玉を分けたとき上下の玉が被らないか

 

両端に玉を分けたとき上下の玉が被らないかどうかもチェックしましょう。上下の玉が被ると、数が数えにくくなります。左右がきっちりと分かれる100玉そろばんなら、数えるグループと数えないグループが把握しやすいです。

 

使いやすい大きさか

 

100玉そろばんは子どもの手でも扱いやすいように、一般的なそろばんより大きい傾向にあります。とはいえ、製品によって大きさはさまざまです。サイズは子どもの肩幅くらいの大きさまでを目安に選ぶようにしましょう。横に大きすぎると、玉をはじくときに肩を動かさないといけなくなります。子ども自身が無理なく動かせる大きさかどうかも確認しましょう。

 

意外と簡単?100玉そろばん、手作りに挑戦!

close up multi colored beads heap in box

 

100玉そろばんは市販のものを購入するだけでなく、簡単に作ることもできます。100玉そろばんを手作りするのもおすすめです。手作りの100玉そろばんは、子どもの好みやレベル、理解力に合わせて玉の並べ方を変えるなどのアレンジができます。子どもも気に入って長く使ってもらえる可能性も高いでしょう。

 

手作りの100玉そろばんは、以下の手順で作っていきます。

・ペットボトルのキャップやクラフトビーズなどで玉を作る

・木箱やプラスチック、段ボールなどで枠を作る

・串を用意して玉を通す

・枠に串を付けて仕上げる

 

遊びながら「数」の基礎を身に付けよう

 

 

100玉そろばんはカラフルで可愛いだけでなく、小さいころから遊びながら数を数える力を身に付けられる知育玩具ということが分かりました。「小学生になったら習い事としてそろばん教室に通わせたいな」と考えている親御さんも、まずは手軽な100玉そろばんからはじめてみてはいかがでしょうか。

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