教育・子育て

2022/09/06

【このお茶は飲ませてもいいの?】子どもとカフェインの関係

子どもにカフェインはよくないと言われますが、なぜでしょうか?かといって、ジュースばかり飲ませるのも不健康です。 代表的なお茶がどのくらいカフェインを含んでいるのか、何歳まで飲ませないほうがよいのか調べてみました。

◎アルカロイドの一種
カフェインは、アルカロイドという有機化合物の一種です。カフェインには覚醒作用や抗炎症作用、血管収縮作用などがあるため、医薬品としても使用されています。集中力を増したり、疲労感・ストレスを低減させる働きがあります。また、脂肪細胞に働きかけて分解を促進するといわれています。

◎交感神経を刺激する
カフェインには、交感神経を刺激する作用があります。人間の自律神経には交感神経と副交感神経の2つがあり、日中は交感神経が、就寝時やリラックス時には副交感神経が優位に働いています。このバランスが崩れると、いわゆる自律神経失調症になります。

交感神経が過剰に刺激されると、次のような影響が出ます。
・心拍数が上昇する
・興奮しやすくなる
・不安を感じる
・下痢や吐き気が起こる
・眠れなくなる、眠りが浅くなる

◎大量摂取で中毒症状も
カフェインの血中濃度が一気に高くなると、中毒症状を起こす場合があります。頭痛、吐き気、めまいなどの症状を引き起こし、国内では死亡例もあります。ただし、一日摂取許容量(ADI)はカフェインに関しては現在のところ設定されていません。

◎子どもは影響が出やすい
カフェインは、大人でも飲み過ぎれば健康に悪影響を及ぼします。体の成長が未発達な子どもや乳幼児は特にカフェインの影響を受けやすいので、摂取しないほうがよいとされています。また、カフェインにはカルシウムの排出作用があるため、成長期の子どもにはよくない影響を与える可能性もあります。

カフェインが含まれる飲み物とは?

◎コーヒー、紅茶、緑茶、ウーロン茶
私たちが日常的によく飲むものに含まれるカフェインの量は、およそ次の通りです。メーカーや抽出方法によっても含有量は大きく異なります。

・コーヒー 60mg / 100ml
・紅茶   30mg / 100ml
・緑茶   20mg / 100ml
・ウーロン茶 20mg / 100ml
・ほうじ茶 20mg / 100ml

◎意外なものにもカフェインが含まれている
コーラ、ココア、栄養ドリンクなどにもカフェインが含まれています。少し大きくなっていろいろなものを飲むようになり、知らないうちにカフェインを摂取していたということもあるので注意が必要です。

カフェインは○○歳から

◎飲まなくてもよいものはなるべく飲まない
カフェインが含まれている飲み物は、いわゆる嗜好品です。嗜好品は、普段の生活で摂取しなければならないものではなく、好きな人が飲むものです。ですから、飲まなくて済むなら飲まなくても何ら問題がありません。

◎カフェインが含まれていない飲み物(ノンカフェイン、カフェインレス)
・水、白湯
・麦茶
・ルイボスティー
・黒豆茶
この他にも、商品として「カフェインゼロ」と記載があるもの(「爽健美茶」「十六茶」など)はカフェインが入っていません。

◎飲むなら中学生〜高校生になってから
コーヒーメーカー大手のUCCのサイトを参考にすると、コーヒーに関しては次のようなことがいえます。

・10歳以下は基本的に飲まない
・12~15歳以上、体重が50kg超であれば飲める

参考:UCC / https://www.ucc.co.jp/customer/faq/knowledge.html#faq05

◎毎日飲まないように注意
カフェインの作用は、数時間程度の一過性のものです。ですから、ごくたまに飲むくらいなら特に問題はありません。たとえば、コーヒーは、カフェイン以外に健康によい影響を与える成分も含まれているとされ、子宮体がんの発症率を抑えるという研究データもあります。また、香りによるリラックス効果も見逃せません。
ただし、毎日大量に飲む場合は問題です。カフェイン耐性が高まり依存症になることもあります。さらに、大量に体内に蓄積すれば、カフェイン中毒を発症するリスクもあります。あくまで、楽しむ程度に飲むことが大切です。

まとめ

カフェインは、通常の適度な摂取なら問題ありませんが、悪い作用もあります。成長期の子どもは大人よりも悪影響を受けやすいので、できるだけ摂取しないほうがよいでしょう。体に優しい飲み物を一緒に飲むことをおすすめします。

参考:
国立がん研究センター / http://epi.ncc.go.jp/jphc/outcome/329.html
食品安全委員会 / https://www.fsc.go.jp/sonota/factsheets/caffeine.pdf

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