教育・子育て

2022/11/30

子どもにとって睡眠の時間は重要!すくすく育つ健康な脳のために気を付けたいこと

脳の成長と睡眠

学校や塾で勉強をする時、お子さんは十分に集中できているでしょうか?

そろばん教室で、集中できなかったり、だるそうにしている子に就寝時間を聞くと、

22時や23時という子も少なくありません。

睡眠の影響を受けるのは「脳の成長」です。

脳の司令塔である「海馬」は、睡眠量の影響を受けることが解かっています。

「海馬」は記憶を司り、十分な睡眠をとっている子どもはその体積も大きく記憶力も優れているという研究結果も出ています。

沢山の時間を勉強に費やし、学習塾に通ったり、そろばんで脳を鍛えているのに、睡眠不足がその成長を止めているとしたら、実にもったいないことです。

加えて、睡眠不足が自己肯定力や肥満にも影響があるという報告もあり、睡眠がいかに重要かが分かります。

 

必要な睡眠時間はどれくらい?

大人の場合、最適な睡眠時間は7,8時間。

子どもの場合は、

3歳から5歳では10時間から13時間。

6歳から13歳では9時間から11時間が目安と言われます。

しかし、睡眠の科学的研究が進んだ現代では、個人差、年齢、季節によっても変化するということが分かってきました。

個人差があるため、時間だけでは十分な睡眠がとれているかを判断することはできません。

また、睡眠時間だけではなく、睡眠の質も重要であり、良質な睡眠が出来ているかを判断しなければなりません。

良質な睡眠がとれているか、睡眠時間が自分に適しているかを判断するには

 

・昼食後眠くならない

・朝、決まった時間にすっきり起きられる

・日中、だるさがなく活動的である

 

などを目安にします。

 

子どもの睡眠が十分かを判断するには、更に様子をよく観察する必要があります。

 

・集中力にかける

・イライラしている

・意欲が低下している

 

なども、黄色信号の表れかもしれません。

 

子どもは体力があるので、

睡眠時間が短くても元気そうにしているように見えるかもしれません。

しかし、睡眠不足は脳の成長に影響を与え、学習に向かない脳になっているのです。

 

眠ることは、脳にはどんな効果があるのか

眠っている間の脳は、夢を見ている時以外は無意識の状態にあります。しかし、神経は活動をしているため、睡眠によって脳は様々な効果を得ることができます。

具体的に睡眠によって得られる効果を見ていきましょう。

 

①脳の疲労を「回復」

日中沢山の刺激を受け、働いた脳は、疲労をしています。脳が疲労するというのは、脳に炎症ができているような状態で活性酸素を蓄積させてしまう状態の事です。

活性酸素が溜まると、自律神経にも悪影響があり正常な機能を果たせなくなります。

睡眠は身体を休めることだけではなく、脳の疲労回復もしているのです。

 

②脳内に溜まった老廃物を「洗浄」

脳は寝ている時、脳脊髄液は脳内に滲み出て、有害な老廃物を押し流してくれています。脳脊髄液に浸すことによって、脳はイキイキと冴えた状態を保つことができます。

老廃物が溜まってしまうと、アルツハイマー病患者の脳に見られる異常タンパク質の濃度が高くなってしまうという研究結果もあります。

 

③様々な機能を「修復」

眠っている間に、脳や内臓、ホルモン系や自律神経系、免疫系など体内の様々な不具合を修復します。車も定期的なメンテナンスが必要なことに似ていますね。

寝はじめの時に多く分泌されるのが成長ホルモンで、骨や筋肉の成長に大きく影響します。

「寝る子は育つ」といいますが、寝はじめの時が重要だそうです。また、この成長ホルモンは、肌を回復する役割もあるので、睡眠が十分でない時には肌が荒れてしまうこともあります。肌を若く保つ美容のためにも睡眠は大きな役割を果たしています。

 

④記憶を定着させるための「整理」

寝ている間、閉じた瞼の下で眼球が動いているときがあります。

これは、レム睡眠(急速眼球運動を伴った睡眠)とよばれていて、日中に学習した記憶や感情を整理しています。必要な情報を定着させると共に、不要と判断したものは、削除していきます。

レム睡眠が少ないと学習したことの習得が悪いのです。英語の学習で、成績が良かった生徒と、悪かった生徒の睡眠を比較した結果、レム睡眠が多い生徒の方が成績が良かったという研究結果もあるそうです。

脳が「休める」睡眠とは?

沢山寝たはずなのに、疲れが取れないということもありますよね。脳がしっかり休めていなければ、身体の疲れも取れません。

睡眠時間と共に、脳をしっかりと休めるために、熟睡し、リフレッシュできることが重要です。

 

寝ているときの脳の仕組みを覚えよう

寝はじめの時に起こるのがノンレム睡眠です。ノンレム睡眠の時は、副交感神経の働きが優位になり、心拍数、体温、代謝などが低下します。ノンレム睡眠が1時間程続いた後、レム睡眠が始まります。閉じた瞼の下で眼球が動いている時、大脳皮質が不規則に活動し、脳波も起きている時と似た波形になります。夢を見るのはレム睡眠中です。

入眠時に低下した交感神経が活発になり、呼吸数、脈拍、血圧などが不規則に変動します。1回のレム睡眠は30分ほどで、一晩で4〜5回のレム睡眠が現われます。

 

健やかな成長のためには、良質な睡眠が必要

子どもの健やかな成長には「食事」「運動」そして「睡眠」の3つが大切です。

睡眠は、ただ身体を休めるだけではなく、眠っている間に行われる脳の活動が、身体の成長と、学習にも影響を及ぼしていることが分かります。

成長期の子どもだからこそ、良質な睡眠をとれるようにしていきたいものですね。

 

覚えておきたい睡眠の妨げになる行動

とは言っても、親が言う通りに眠ってくれないなど、寝かしつけは中々大変です。

でも、ちょっとした工夫で環境を変えることで、改善できることもあります。

大人にも共通している部分が多いですが、子どもは自分自身でコントロールできない事も多くありますので、大人が環境を整えることが必要です。

まずは出来ることから試してみましょう。

 

①明るいまま寝る

子どもの場合、暗い部屋で寝るのは怖いと言って、嫌がるお子さんも少なくありません。

徐々にで良いので、少しづつ暗い部屋になれていくようにしましょう。どうしても嫌がる場合は、眠った後に電気を消しましょう。眠った後でも、部屋の明るさは睡眠と関係があります。

 

②不規則な習慣

平日は、学校などがあるので決まった時間に寝ることが習慣化されているお子さんも多いのですが、明日はお休みだからと週末に夜更かしをすることはないでしょうか?

週末の習慣のずれはソーシャルジェットラグと言われ、身体にもダメージがあると言われています。

同じ睡眠時間でも、寝る時間が不規則な場合は、分泌される成長ホルモンに違いがあるという研究結果もあります。

③睡眠直前のゲームやテレビ

寝る1時間前には、ゲームやパソコン、テレビの画面を見ないようにしましょう。弊害があるのはブルーライトだけではなく、激しく動く動画を見ることで交感神経優位が続き、寝つきが悪くなります。寝る時間の直前まで、激しい動画を見ていることの無いよう、子どもとの約束を決めるようにしましょう。

 

④睡眠直前のお風呂

身体の深部体温が下がる時に眠気がやってきます。逆算して、寝る時間の1時間前までに入浴を済ませるスケジュールを立ててみて下さい。

 

まとめ

学校の宿題が多い。勉強の時間や習い事のために、睡眠時間が十分にとれないということがありますが、それは、結果的に逆効果になってしまいます。

勉強の量を減らして、睡眠時間を確保したほうが、成績が上がったという報告もあります。

学校での勉強、様々な習い事を効率的にするためにも睡眠は重要です。

お昼寝も効果的であると言われています。

特に、小学校低学年の場合、個人差がありますので、まだお昼寝が必要なお子さんも少なくありません。

睡眠不足を改善したその日から、脳はすくすくと成長を始めるらしいので、

睡眠時間が短い。疲れていそう。集中力がない。勉強の効率が悪い、と思ったら今日からすぐに生活パターンを変える努力をしてみましょう。

もし、良くない生活習慣が定着しているならば、家族皆で生活パターンを見直してみるのも良いでしょう。家族皆が健康でいることにも繋がり、仕事やメンタルの部分でも好影響が出れば、皆がハッピーになれますね。

 

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