シリーズ【そろばんの先生のひとりごと】
そろばんの先生から、保護者へ
学習のヒントだけではなく、子育てのヒントを発信
本番に強い人と弱い人の違いとは?
人には二つのタイプがあります。本番に強い人と弱い人。この違いは何でしょうか?
それは、イメージ力と経験の差だと私は思います。
励ましが〇〇に
初めて検定試験を受ける生徒さんで、「計算用意、始め」と言われた瞬間に、
いつもはスラスラ解いている問題を一問も解けずに固まったままということがあります。
「絶対合格してね」と周囲は励ましているつもりが、緊張感を煽ってしまうのです。
「失敗は許されない」「たった一度だけ」「絶対合格しなければ」
そう思えば思うほど緊張感は高まり、筋肉が萎縮します。脳は機能低下し放心状態。
それでは実力が出せなくて当たり前ですよね。
更には、検定試験の度に体調を崩して欠席してしまう生徒さんだっています。
我が子に合格をしてもらいたいと願うならば、プレッシャーになる言葉を避け、
「合格したら賞状がもらえるね」「試験が終わったら美味しいもの食べようね」など、
終了後の嬉しい事柄をイメージさせるようにすることです。
プラスのイメージ力⇒自己コントロール力に
プラスのイメージ力が備われば、緊張からの解放を自己コントロール出来る様になります。
そして、経験です。そろばんの検定試験は、9,10級から始まりますが、
暗算を含めるとそろばん教室を卒業するまでに
10回以上の検定にチャレンジする生徒さんがほとんどです。
何度受験をしても緊張するのは変わりませんが、
経験によって自己コントロールする力が養われていきます。
自分なりの緊張のほぐし方を習得し、本番で出せる力は練習の8割という事を知る。
そして、失敗しても再チャレンジすればいいという事を学ぶのです。
本番に向けて、コンディションを整える術も体得していきます。
小さなころからの「本番」の経験が強みになる
卒業生は、中高の受験やセンター試験の時でも、
そろばんの検定を通じてその雰囲気を何度も経験しているから緊張しなかったといいます。
お子さんたちが将来、
様々な場面で「本番」を迎える時の準備を幼少期から経験していることは、
大きな強みになります。
小さな失敗の積み重ねこそが、大きな成功をつかむ糧となります。
検定に失敗しても、それは将来の大切な本番に向けての準備なのです。