学校選びで注意すべき点は?

中学3年の女子と小学校6年の男子を持つ母親です。
下の子も中学受験をする予定で勉強していますので、今年は2人とも受験の年になります。
受験では偏差値によって合格できる学校が決まる側面もありますが、
何年もその学校で過ごすことを考えると、本人にあった学校選びが大切だと思います。
学校のことを知るには、説明会や文化祭に参加することや、受験雑誌や塾から
情報を得るなど様々ありますが、情報が多すぎて迷ってしまいます。
子どもたちにあった学校選びで注意すべきこととして、
先生はどのようにお考えでしょうか。
(仮名:時任さん)

子どもにあった学校選びをする

時任さんがおっしゃる通り、学校選びは非常に大切なことです。
3年間、または6年間通い続ける学校ですから、慎重になります。
受験をする以上、合格不合格という判定がされるので、
必ずしも、「行きたい学校=通う学校」にはなりませんが、
「この学校に行きたい!」と強く思うことで、明確な目標ができ、
努力が継続できるようになりますので、
自分にあった学校選びを確定することは非常に大切なことです。

そこで、これまで私が多くの生徒や講演会でお話してきた、
「学校選び-3つの視点」についてお話しますので、
ご参考いただけたらと思います。

学校選びのポイント その1

一つ目の視点です。それは「学校は直接見なければわからない」ということです。
ネットの情報や受験雑誌の情報では客観的事実はわかっても、それらの意見、
情報に偏りが多いことや、また雰囲気という漠然とした感覚的なことはわかりません。
ですから直接見なければ、子どもにあった学校なのかどうか分かりません。
「直接見る」というと、一般的に、説明会に参加するという手段がありますね。
通常の説明会では、学校は自校の良い点だけを披露することが多いため、
良い側面だけを聞いても判断は難しいものです。

ですが、次の2つの点に注目するとある程度の学校の姿勢が判断できます。
・良い点も悪い点も語ってくれる説明会
「この部活はセレクションが必要で一般受験生では入部できない」
「こういう不祥事が起きてしまったので、このように再発防止に努めている」
「今年の受験結果は、有名大学はかなり出た一方で、全体の浪人率が高くなってしまった」など率直に、現在の課題とそれに対して取り組んでいる内容について説明されている。

・校長に熱意や覇気がある説明会
組織の良い悪いはトップで決まります。
学校のトップである校長先生が熱意を持って、このような目標と取り組みをしている
という一種の覇気がある学校は伸びている学校である場合が多いです。
校長がお年を召していたり、お体が不自由であったりしても、
教育に対する思いを持ち、情熱をもって取り組み、その校長を
支えていこうとする周囲の先生方の熱意が感じられる学校も伸びる学校です。

このように2つの点がどのようであるかと観ていると、説明会からでも、
ある程度の教育内容の全体像と、学校の情熱や姿勢を感じることができます。
しかし、それでも説明会は、受け身として保護者は参加しており、
学校が企画した一方的な催しに従っているにすぎません。
ですから説明会の後の校内見学があっても、学校が見せたくない部分は
導線に入ってきません。

学校選びのポイント その2

そこで、2つ目の視点として「説明会以外での学校を直接見る」ことです。
そのためには「個人的に学校見学を申し込む」とよいでしょう。
特に私立学校は、事前に学校見学を申し込めば見学をさせてくれます。
伸びている学校、努力している学校は、「どうぞ見てください」と喜んで対応してくれます。そのとき、次の3つを見てみると、その学校の教育が
どこまで生徒に対して徹底されているかということがわかります。

・挨拶ができている
生徒が挨拶しているのは当たり前として、教職員も外来者に対して
快く挨拶してくれる学校は伸びる学校です。
生徒に挨拶するよう指導する一方で、先生方もそれに範を示している
ということを意味しますから、しっかりとした教育がされているという印象を持ちます。

・時間が守られている
先生方は始業チャイムが鳴ったら職員室を出るのではなく、
チャイムと同時に授業が開始されている。
授業時間をしっかりと守るという姿勢のある学校は
真剣に教育しようと取り組んでいる学校です。

・整理整頓がされている
特に、教室内とトイレです。教室内の状態は担任の指導の賜物であり、
きれいに整っている教室を見ると、先生の生徒指導が日ごろから
しっかりとされているという印象を持ちます。
また、トイレは一番手が回りにくいところであるだけに、
その部分まできれいにされているという細やかな指導は、
生徒への学習指導も同様に行われていると考えてよいでしょう。
一事が万事です。トイレ磨きをすると会社の業績が上がる
という話を世間でよく聞きますが、学校でも同様だと私は思っています。

私はこれまで、公立学校、私立学校、海外の学校問わず、多くの学校見学をしてきましたが、
私が感じた素晴らしい学校には、一様にこれらの共通項があったことに驚きました。
凡事徹底が大切であるというのは真実なのです。学校選びでは、
教育カリキュラムや学校行事、どのような海外体験や国際交流があるか、
進学実績がどの程度であるか、さらには女子であれば制服はどのようなものかなど、
学校案内に書いてあることは大切な判断材料になります。

しかし、教育は人が指導する以上、どのような先生が指導しているのか、
日々生徒はどのような学校生活を送っているのかという点を見学させていただくと、
自分のお子さんにあった学校であるのかどうかわかってくることでしょう。

学校選びのポイント その3

最後に、3つ目の視点です。それは「子どもの感性も重視する」ということです。
子どもの学校見学は、説明会や文化祭以外難しいと思いますが、
その参加した学校見学で、子どもは「この学校でこれから3年、6年と過ごしてみたい」
と思うかどうかです。ですから、親の意見もあるでしょうが、
子どもの感性を大切にすることも同時に重要です。

もちろん、子どもの印象がそれほど良くなくとも、親が良いと感じて入学させると、
その後、子どもは入って良かったと感じる場合もあるでしょう。
ですから、親の考えと、子どもの感性をそれぞれ合わせて、
最終的に判断することが重要となってきます。親が通うわけでもないのに、
親先行型の判断で行くと、後々子どもは自分の判断、考えというものを持てず、
他者に決断を依存する人間となってしまう可能性があります。

まとめ

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石田勝紀

◆(一社)教育デザインラボ 代表理事
◆公立大学法人 都留文科大学 国際教育学科 特任教授

1968年横浜生まれ。平成元年、20歳で起業し、学習塾を創業。
これまで3500人以上の生徒に対し、直接指導してきた。指導は、いわゆる詰め込み勉強をさせず、「心を高める」「生活習慣を整える」「考えさせる」の3つを柱に指導をすることで学力を引き上げる。
2003年、東京の中高一貫私立学校の常務理事として携わり、大規模な経営改革を実行し、経営改善を図るとともに教師の指導力を高める。また、横浜市教育委員会高校改革委員、文部科学省高校生留学支援金制度の座長を務め、生徒、保護者、教員を対象とした講演会、企業での研修会も多数実施している。
2015年から東洋経済オンラインで「ぐんぐん伸びる子は何が違うのか?」を隔週連載し90回以上の長期人気連載となり累計5700万アクセスを超える。(2018/6/1時点)
2016年からは「カフェスタイル勉強会〜Mama Cafe」というママさん対象の子育て・教育勉強会を主宰し、講演会、研修会、ママカフェの活動回数は年間150回を超えている。

国際経営学修士(MBA)、教育学修士(東京大学)、東京大学大学院教育学研究科博士課程在籍。

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