子どもの健全な発育にはスキンシップがとても大事だといわれます。スキンシップをすると、具体的にどんなメリットがあるのでしょうか。親子でのスキンシップをする意義と効果についてご紹介します。
赤ちゃん時代のスキンシップの効果
◎成長ホルモンが出る
最近では、ベビーマッサージなどで赤ちゃんへのスキンシップの重要性がだいぶ知られるようになりました。赤ちゃん時代にスキンシップが大切な理由はいくつかあります。まず、スキンシップで成長ホルモンが分泌されます。成長ホルモンは免疫力に関係しています。これが十分出ないと赤ちゃんが健康に育ちません。また、まだ視力が十分発達していない赤ちゃんは、スキンシップでお母さんやお父さんの存在を知ります。肌の温もりや声を感じながら、すくすくと育つことができます。
◎母乳の出が良くなる
スキンシップはお母さんにもよい効果をもたらします。赤ちゃんとのふれあいで、お母さんにはオキシトシンとプロラクチンという母性に関わるホルモンが分泌されます。プロラクチンは母乳がよく出るよう働きかけてくれるホルモンで、赤ちゃんのお世話や授乳をしたい気持ちにさせてくれます。オキシトシンは愛や幸せを感じるホルモンで、赤ちゃんを可愛いと思う気持ちを生み出します。また、お父さんもスキンシップで血圧が下がるなどの良い効果が得られます。
幼少期のスキンシップの効果
◎愛情ホルモン、オキシトシンが出る
赤ちゃん時代でも幼児時代でも、オキシトシンというホルモンが分泌されることがスキンシップの非常に重要な効果です。オキシトシンとは情緒を司るホルモンで、きちんと分泌されることで怒りや恐怖心、闘争心などをコントロールしています。
オキシトシンが正常に分泌されれば、他者を信頼し安心して良好な人間関係を育むことができます。一方、分泌が不十分であれば怒りや恐怖心、闘争心などがコントロールできなくなり、いわゆる「キレやすい」状態になります。
子どもが社会性を持った大人になるには、このオキシトシンが正常に分泌されることがとても重要です。他者への信頼が育つと情緒が安定し、一人でも過ごせるようになります。スキンシップによって心が満足するので、自立するのも早くなるといわれています。
◎蓄積して将来にも影響する
オキシトシンは情緒を安定させ、親子の愛情を深めるホルモンですが、小さい頃にしっかり分泌されていないと大人になってから出にくくなるという特性があります。幼い頃にスキンシップ足り
ない状態で育つと、生涯にわたってオキシトシンが出にくくなり、情緒不安定な状態が続いてしま
うのです。
スキンシップをたくさん受けた子どもには、このような傾向があるといわれています。
・愛情深く、優しい子どもになる
・ストレスに強い
・社会性が高い
・IQが高い
・協調性がある
こうしたものが養われる結果、大人になってからの年収にも大きな差が出るとの大学のリサーチ結果も出ています。小さな頃に受けた愛情は一生の宝物になるようです。
効果的なスキンシップの方法
◎10分以上行う
オキシトシンはスキンシップをはじめて10分ほどでよく出てくるといわれています。毎日10分はしっかりふれあうようにしましょう。
◎男の子
オキシトシンは男の子のほうが女の子よりも出にくいようです。男の子にはよりたくさんスキンシップをしてあげることをおすすめします。
◎いろいろなスキンシップを組み合わせる
スキンシップの方法は一つではありません。抱っこする、手をつなぐ、頭をなでる、コチョコチョとくすぐる、高い高いをする、肩車をする、ほおずりするなど、日常生活の中にスキンシップの機会はたくさんあります。習い事もそうです。たとえば、野球を手取り足取り教える、そろばんを手を取って教えるなど、親子のふれあいの場はいろいろあります。少し意識するだけで、スキンシップの量はかなり増やすことができるでしょう。
まとめ
スキンシップは大人にとっても大事なもので、子どもへのスキンシップを意識すると大人も同時に癒されることになります。親にも子にもとても大事なスキンシップ。ぜひたくさんの愛情を注いであげてください。